生物がさまざまな環境の淘汰圧を受けて多彩なデザインを起こしていったように、Webのデザインももっと外部環境の圧力に敏感になるべきだと感じるのだ。
ユーザビリティ、さまざまなデバイスに対するアクセシビリティ、Webで見る人、RSSで見る人で異なる閲覧スタイル。そんな外部の圧力にもっと機敏に反応していいはずだ。
そして、デザインとは単なる見栄えのことではない。
『眼の誕生』でカンブリア紀の大進化を扱ったアンドリュー・パーカーはこう書いている。
「動物の体制や発生には、おびただしい数の遺伝子が関与している。それに対して、外部形態の形成を支配している遺伝子の数は、それよりも少ないのがふつうである」
パーカーによれば生物に多彩な外部形態のデザインをもたらしたのは、全10章からなる生物進化史の9章目でしかない。それまではむしろ内部体制に進化史の章は費やされた。
Webも同様だ。見栄えの章に至る前にはより基本的な戦略策定やユーザーシナリオの作成、情報設計が基盤としてできていなければ、満足に環境適応できるデザインにはならない。
Web2.0とはいえ、まだまだだ。
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