不味いメシ屋の見分け方と企業サイトのデザイン

ノッケから経験値でものを言って申し訳ないが、不味いメシ屋というのは、たいていメニューが多すぎるという共通項があるように感じてます。しかも単に多いのではなく脈絡がなく多い。得意料理なんて当然ないんだろうなと思わせるメニューの並び。その時点ですこしもいい匂いがしてこない。案の定、食事時でも店のなかはがらんとしていたり。

いい匂いのしないWebサイト

それって実は企業サイトでもおなじこと。
やたらとメニューが並んでるだけじゃ、いい匂いはしてこない。

中小企業やらシステム系の企業でありがちなのが、そういう何でもできます的なメニューの並び。で、何屋なの?というサイトになってしまっているところが少なくない。

あーあ、Webのデザインした会社がそのへん、きちんとコーディネイト、デザインしてあげなかったんだろうな、と残念な気持ちになります。
もちろん、納期やら予算やらあってのことだろうけど、じゃあ、その制約条件なければ、ちゃんとコンサルティングしてあげられたの?と疑問も残ります。

メニュー決めの前にやるべきこと

メニューの並びを決める前にやることが確実にあります。
何を実現したいのかというビジョンがなければ、メニューの並びなんて本当は決まりようがありません。

でも、いきなりメニュー決めから入ってしまうWebデザインのプロジェクトって多いんじゃないですか?
そんなんじゃ、旨そうなメシ屋っぽく見せられっこないと思うんですが、どうでしょう?

メニューの前に自分たちが何屋で何が得意料理なのか、なぜ、それが得意と言えるのかの裏付けが明確になってなければ、どんなメニューを客に見せるのが適切か、どんな風に並べて、どういうカテゴライズすれば客に旨そうな感じが伝わるのかなんてまともに考えられっこない。

誰が客なのか?

そして、そもそも客は誰なのか?客の好みはどんな料理で、その料理にいくらなら払っていいと思ってるか?

その客はなぜ他店ではなく、うちに食べに来るのか、そう考える根拠は何か。どんな技術、どんなサービス、どんな姿勢が客に自店を選ばせるだろうと想定しているのか。

そういうのが先にあってメニューの戦略が決まってくるというものでしょう。
何でもかんでもあるものを並べておけばいいという話ではないはずです。確実に。

Webデザインする人のコンサルティング力

そのあたりを本当は企業サイトのWebデザインをする人は、きちんとクライアントを導いてあげないといけないはずです。もちろん、企業サイトだけでなく、ほかのサイトでも同様です。

いい匂いが漂ってきて、旨そうに思える店がまえ、メニュー、お客に対する姿勢といった要素を統合的な視点に立ってデザインしてあげるためにはどうすればいいか、その方法を感覚的に、身体的に(つまり頭ではなく、ということ)わかっていないといけません。

ビジョンやターゲット顧客を明確にした上で適切な戦略に落とし込み、その上で具体的なデザインを検討するというプロセスを、クライアントとともに歩めるよう、クライアントを導いてあげられるスキルや姿勢が身体から滲みでてくるよう自分自身を研いておく必要がある。

いい匂いがするWebサイトをデザインしようと思うなら、そんな風にまず自分自身そのものをいい匂いがするように作り替えていく日々の意識的な努力が欠かせないでしょう。

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