最近、会社のBlogのほうで、情報の発信が増えるWeb2.0時代は、需要のリソースが供給量に対して相対的に激減する、アテンション・エコノミーの時代だと書いているが、よく考えればそれは社外の情報だけでなく、社内の情報でもいっしょだ。
カンファレンスで言われていたのは、こんなこと。
・日本版SOX法の関係でアカウンタビリティがさらに問われるようになれば、ドキュメントの数は幾何級数的に増えることが予測される。
・すでにERPやSCMなどのデータ容量が膨大になり、RDBの限界もささやかれていたり、増え続ける情報をシステム的にどう扱うかも問題になる。
同時に、個々の人間にとっての利便性をあげるためには、玉石混交の膨大な情報から、有益な情報を探し出せるようにすることも当然、必要だ。
で、当然、情報の一元的な検索が必要という話になる。
しかし、企業内情報というのは、アクセスコントロールの問題もあって、インターネットサーチとは違ったクロール技術、インデックス化技術が必要になるというのは聞けば非常に納得。
しかも、(X)HTML-ハイパーリンクによって構造化されたネット上の情報との違いは、Officeドキュメントの情報をはじめとする非構造的な情報が大量に存在することだというのも確かにそうだ。
まぁ、こうしたバックエンドの技術は専門家に任せるとして、僕として気になるのは、人とのインターフェイスに関わる部分の技術だ。
検索性を高めるためには、Googleのようなリンクポピュラリティに代わる情報淘汰の仕組みがなにかしら必要となる。
それがなければ、検索コストはそれほど下がらない。
ユーザビリティに問題があれば、何が可能かどうかに関わらず、そのシステムは使われないからだ。
検索性をユーザーレベルで高めるためには、玉石混交の情報をなんらかのふるいにかける形で、閾値をビジュアライズできる何かしらの仕組みが必要だ。
それが昨夜のエントリーですこし考えてみたこと。
非構造的な情報の集合に対して、どうやってそれを働かせるか?
Folksonomy? エンタープライズ・タギング?
誰が何を知っているのかわかるようにすることもその1つだ。
ブログがそのいい例だが、それはある意味、ブロガーなら誰でもわかることだが、ブロガーでない人にはなかなか体感できないことだ。
情報を発信する人のところにほど、情報は集まってくるものだということを体感できる仕組みも必要だろう。
Searchという人間の知の取得行為をさらに細かく、Search(随時探す)、Subscribe(適切なところからの情報を定点観測=定期購読する)、Share(他の人と共有する)という分類でとらえなおしておくと、よいのかもしれない
また、検索対象が複数にまたがれば、それなりのユーザビリティに優れたUIが必要となるだろう。
A9.com? Googleパーソナライズドホーム? Ajaxを使えばいいってわけでもないよな。
なんて、いろいろ考えると、分類学や図書館学、集合論やニューラルネットワークなんてあたりのことを、あらためて勉強したくなった。
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