ブログの何よりの利点は、自社の商品なりサービス姿勢、企業姿勢などを、これまで以上に血の通ったコミュニケーション、つまり、誰が言ってるのかわからない言葉ではなく、顔や名前を明記するかは別にして、きちんと一人の人間の言葉として発することで、一対一の関係を提示できることだと思う。
とはいえ、これも梅田さんの『ウェブ進化論』ではないが、その利点がブログをライティングする側から実体験したことがない人にはなかなか伝わらなかったりする。
実体験がない人には頭で理解できても、実際にブログを書く決心するまでの実感はわかないのだろう。
そうなると、ブログを書くと何が起こるかを、ちょっと目線を変えた形で実感してもらうことが必要になる。ようはブログによって起こることに慣れさせることが必要だ。
その1つの手段として、トラックバックの効果を知ってもらうことがある。
トラックバックで、アマゾンのレビューのように、ある商品についての意見をもらうのだ。
例えば、既存の商品ページにトラックバック機能をつけ、「あなたのブログにこの商品の感想を書いてみてください」などと表記する。
これには3つの利点がある。
・よくあるレビューは事前に会員登録などを必要とするが、それとは違い、ブログをやってる人なら事前登録なしに参加できるので、参加障壁は低くなる(いまどき、登録するメリットがないのに個人情報の入力が必要なフォームにわざわざ入力する人はいない)。
・ブロガーのほうもエントリーのネタが1つ増える。
・企業側からみれば、ブログのようなエントリーを用意する手間もなく、なおかつ、消費者の声を聞くチャンスにもなる。いきなり悪い評価が掲載されることや、トラックバックスパムが気になるなら、掲載の前に承認機能を設ければいい。
これなら、「書くこと」に抵抗がある企業人も採用するのに抵抗も減るのではないか?
そして、トラックバックというものがどんな効果をもたらすかも体験できるのではないだろうか?
古い頭(というより生活習慣に近いか)を切替えるには、地道に一歩一歩の普及が必要なのだと思う。
いきなりすべてを伝えようとするのではなく、すべてを知っている人にはそんな部分的に導入して役に立つの?って疑問に思う一部からでも伝わらないより伝わったほうがマシなのである。
頭がかたい昔の人はなかなか説得できないなんて嘆くのは、そのあとでもいい。
このことを理解できない人には、次のエントリー(『盲目の時計職人』リチャード・ドーキンス)をぜひ読んでもらいたい。
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