
これ、入り口の前にあったポスターですけど、句読点を拡大したピクトグラム風の絵柄は僕の好みでした。
松丸本舗
松丸本舗は、140年の歴史をもつ丸善と松岡正剛さんのタッグによる実験的書店です。10月23日にオープンするのもそれ以前から知っていたし、松岡さんがどんな本屋を作るんだろうかと興味があったので行こうとは思ってました。
でも、10月23日以降も一度丸善に行って3階まで上がったにも関わらず、その日は行かなくてもいいなという気がしてもう1フロア上がることはせずにスルーしたりもしたんですよね。なんとなくニュース的な扱いをして見物に行くのはいやで、もっと自然に本屋に立ち寄る感じで行ってみたかったんです。それで今日丸の内に行ったついでに、ようやくお邪魔してみたというわけ。

書棚の本がこんな風に、まるで個人の本棚であるかのように本が並べられていることも、事前に写真でみて知っていたので特に驚きはありませんでした。
それよりも想像してたより広いスペースを使っていたのが意外でした。でも、そのことで単なるイベント的なものじゃないんだという本気度が伝わってきたりもしました。

本が連なり、絆が生まれる
当然ながら、結構な広さの空間にいくつも書棚が並べられ、しかも個人の書棚のように雑然とした並べ方で本が並んでいるので、ほとんど通常の本屋で本を探すときのような検索性を求めることはできません。それよりもどんな本があるんだろうと探しているうちに、中には自分が知っている本や名前くらいは知っている作家やタイトルの言葉にピンとくる本が目に入って来て、それが隣の本のイメージをぼんやりと浮かび上がらせてくれるんですね。知っている本が知らない本のイメージを連想させてくれる。
それが通常の本屋のような分類ではない、松岡さん龍の分類で並べられているから、これはビジネス書とか、これは禅に関する本だとかいうような固定観念で本を観てしまうことなく、もっと自分勝手な想像で本をイメージすることができる。松岡さん的にいえば、そこで編集が起こっているんですよね。

書棚には、上の写真のように松岡さんの手書きでのコメントのようなものが書かれていたりするのもおもしろかった。こういうコメントが書かれていると、松岡さんから本を薦められている感覚になります。
―どのようにしれば自分の「好み」の本に出会えますか。何かコツがありますか。
もしなかなか出会えないと感じているのなら、誰かのおススメに従ってみることでしょう。友だちや先生で、自分よりも深くて大きそうな人の推薦です。「あの本は君に合うかもしれない、読むといいよ」と薦められた一冊を読むのは、やっぱりきっかけになる。その一冊のなかから、ずいぶんたくさんのものに出会える。ただし、できるだけ自分が尊敬しているか、気がかりな先輩に選んでもらうといい。松岡正剛『多読術』
僕も松岡さんが紹介してくれる本を読んで、ずいぶん「たくさんのものに出会え」ました。この場所もまたそんな場になるかもしれません。
もらったパンフレットには「本が連なり、絆が生まれる」というコピーが書かれていましたが、まさにこうしたコメントとの出会いも、こうしたスタイルの本棚ならではですね。先に書いたような知っている本が知らない本を連想させるなんてのも「本が連なり」ということなんでしょう。

おもしろい場が近くにできてよかったなと思います。いくらでも時間を費やせる場所なので、これからもちょくちょく行ってみようかと。
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