ブログとオンライン型のRSSリーダーとソーシャルブックマークというサービスの組み合わせは最高だと思う。
だけど、なんであんなにセンス(端的にいえば、ファッションセンス)がないのだ!と。
たぶん、あのセンスのなさ(あるいは偏り)で、はてなは随分とターゲット層を狭めてしまっているはずだと思っている。実際、そのせいでいわゆるギーク寄りの人が集まる結果となってしまっているように見えるし、ブックマークで注目されるエントリーにもそちらの話題への偏りが見られる。
だから、僕はfeedpathに期待していたりもしていたわけだが、僕のその感覚はちょっとだけ正しかったらしく、feedpathの「最も使われるタグ」を見ていたりすると、よりマス的な言葉が見受けられていて微笑ましい。実際、feedpathのインターフェイスは、はてなのそれに比較して随分とセンスがよい。
Pheedoの創業者でありマーケティングのバイス・プレジデントであるBill Flitter氏からFeedpathへのコメントを貰った。
I love the clean interface. Good work!Pheedo創業者 Bill Flitter氏からコメント(Speed Feed)
ということだが、実際、僕も一番はじめの印象でそう感じた。
はてなとfeedpathの違いは双方で開発にたずさわる人が、Googleのサーバーに魅力を感じるセンスの人と、Mac.に魅力を感じるセンスの人だという違いなのだろうか? そんなことに還元していいのだろうか? たぶん、そんな馬鹿げた理解でいいわけない。
規模の法則が働かなきゃ、Feedのより一般的な利用は望めないし、feedpathにしても、もちろん、まだまだなんだろうけど、でも、いわゆるイノベーター理論におけるイノベーター~アーリーアドプター層から、アーリーアドプター層~アーリーマジョリティ層へ、キャズムを超える着実に一歩踏み出した感があるのは、Webマーケティングを仕事にしている立場からは望ましい一歩だと感じられる。
そんなことを思っていると、CNET Japanでこんな記事を見つけた。
「ガジェットをつくる側が女の子のニーズに気づいているとは思えない。たしかに努力はしていると思うが、結局は色をピンクにするだけだ。実際、Motorolaの携帯電話「Razr」やApleの「iPod」にもピンク色のモデルがある・・・ただ、ピンク色にしたからといって必ずしも女の子に好まれるとは限らない」(Eng)
『トム・ピーターズのマニフェスト (4) トレンド魂。』がまるまる一冊、女性を狙うことに費やされていることをわざわざ例に挙げる必要もないくらい、女性をうまく取り込まなくてビジネスが成り立たないことくらい、アメリカより日本のほうがよくわかっているはずだ。
にもかかわらず、Googleに妙な意識があるのか、はてなはどうも技術一辺倒な印象を受ける。
でも、それはGoogleに対する誤解だ。
あれだけ技術にかけては他の追随を許さない、Googleだって、イベントごとにロゴをデフォルメするようなささやかな(そして品のよい)センスを垣間見せてくれる。また、あのシンプルでクリーンな白いインターフェイスはやはりはてなのあのビジュアルセンスに関してはほとんど配慮が感じられないインターフェイスとは比較するのもおこがましい。
(Googleに対するもう1つの誤解は、Googleは決してWeb2.0企業じゃないという点だ。これについては別の機会に)
僕ははてなが好きだ。
でも、あのセンスのなさによって、はてながつまらなくなってしまうっていることも同時に感じている。
iPodの色をピンクにすればいいってわけじゃないって感覚はたぶん正しい。
それはこんな記事にも現れているはずだ。
KDDIは1月下旬、携帯電話とPCの両方で同じ音楽を楽しめるサービス「au LISTEN MUSIC MOBILE(LISMO)」を開始した。携帯電話に保存した着うたフルをPCでも再生できるほか、ユーザー同士で楽曲をリコメンドしあう機能などを備える。さらに4月には、PCと携帯電話の両方に対応する音楽配信サービスも始める計画だ。
会社の同僚(女性)となんでPodcastingがいまいちなのかを話していたが、結論としては、音で聞きたい情報(コンテンツ)がないこととiPodが通信機能を持たないからだということになった。
そりゃ、そうだ。Podcastingが常に新しい情報を更新してくれるからといって、忙しい女性がわざわざそのために毎日、せっせとiPodをパソコンにつないだりするだろうか?
それはお気に入りの音楽をiPodに入れる以上の頻度をユーザーに強いる。
でも、そこにユーザーメリットはあるの? そういう話だ。
でも、それがiPod自体が通信機能をもっていたら話は違う。
それ自体がオンラインで、ワンクリックで最新の情報をFeed(Podcasting)で知らせてくれる手軽さがあれば、コンテンツの内容がいまとそれほど大きく異ならなくても利用頻度は増える。
今の状態なら、例えばラジオ番組をラジオで聞くのと、Feed(Podcasting)+iPodで聞くのとはではどちらが便利かを考えてみればいい。
ファッションセンスとはつまりそういうことで、すくなくとも女性に響くものにするには、そういうセンスが必要だ(僕も男性なので、本当にどうかは女性に教えてもらうかしかないが)。
そういう努力を「チープ革命」の名の下に避けようというのなら、まったくくだらない。
節約をすると同時にとセレブに魅力を感じることができる女性を相手にするなら、単なるかたわな「チープ革命」ではどうにもならないということを、ウェブ進化論(自然淘汰-環境適応)を論じる際には忘れてはいけないと強く思う。
Eng嬢も言っている。
「部品がどんどん安くなっていくので、こうした洋服がもっといろいろな場所に出回るのは間違いない」とEngは予測する。「ボタンと同じサイズのカメラがあれば、それをシャツにつけてこっそり写真を撮るようになると思う。あるいは、そういうカメラで日々の記録を残すというて手もある」(Eng)
「チープ革命」そのものは必要だ。でも、それだけじゃダメだ。
それをファッションにできるセンスがないと。
宇宙にえくぼを by スティーブン・ジョブス
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