高千穂 3:高千穂の自然

日本の自然というのは、なんと豊かなものだろうか。そして、なんて豊穣な表情をみせるのだろう。切りたつ岩肌、色濃い緑の樹々、白波を描いて流れる清流。「見れど飽かぬ」は万葉に多く登場することばで、その永遠なる生命の息吹を、みずからにも宿らせんとする呪言だが、それを忘れた叙景的な意味においても日本の自然には「見れど飽かぬ」ものがある。

高千穂峡
高千穂峡


まさに高千穂の自然がみせる表情はそれで、この地の神社や夜神楽以上に、この地が神々の郷であることを思い起こさせるのであった。

高千穂峡

8月23日日曜日の朝。宿泊したホテル高千穂の前の坂を15分ほど下ると高千穂峡の看板がみえてくる。
天安河原夜神楽とともに、今回の高千穂行きでぜひ見たかったのが、五ヶ瀬川が阿蘇の溶岩を浸食して生まれたV字型の渓谷が高千穂峡です。

真名井の滝 真名井の滝
真名井の滝


高千穂峡にある、真名井の滝は日本の滝100選に選ばれていて、この滝の下を手漕ぎボートで遊覧することもできます。
これも前日のガイドをしてくれたタクシーの運転手さんに、10時くらいになると混んで待たされるからと、受け付け開始の7時半直後に行った方がいいと教えてもらっていたので、8時前には受付に到着。待ち時間は5分くらいでボートに乗れました。

高千穂峡のボート 高千穂峡
高千穂峡


断崖絶壁の岩肌に囲まれたなかをボートで進み、真名井の滝の横を通り過ぎていきます。真夏でも陽もあたらず、涼しげな滝の音も聞こえることもあってか、ボートをこいでもほとんど汗も流れません。
真名井の滝は、さすが日本の滝100選に選ばれているだけあって、ボートに乗って下から眺めても、渓谷にかかった橋の上から眺めても美しい滝でした。

ボートをおりたあとは、散策コースに沿って、高千穂峡の上流へと歩きました。
さすがに木陰がないと、上り坂は汗が出ます。それでも峡谷がみせる表情の変化を楽しみながら歩くと、あっという間に散策コースの終わりまで辿りついていました。

国見ヶ丘

高千穂峡の散策を終えた後は、タクシーを呼んで、国見ヶ丘へ。
国見ヶ丘は、神武天皇の御孫にあたる建盤竜命(たていわつみのみこと)が筑紫の国の統治の命を受けて、下日向県(しもひゅうががた)を経て阿蘇に向かう途中に四方をのぞんだ―国見をした―場所とされる地です。

国見ヶ丘から見る東の景色
国見ヶ丘から見る東の景色


国見の場所というだけあって、東は高千穂盆地が、西には阿蘇の外輪山、南には二上山につらなる山々を見渡すことができます。

国見ヶ丘から見る西の景色
国見ヶ丘から見る西の景色


国見ヶ丘は、雲海の名所としても知られていますが、雲海は春と秋の昼と夜の気温差の大きい時期の早朝に出るものなので今回は見ることができませんでした。

その後、すでに前のエントリーで紹介している二上神社や高千穂神社をみて、高千穂の地をあとにし、熊本県の阿蘇にむかいました。

続く…

関連エントリー

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック