
そう。白川静さんの字書三部作のうちの『新訂 字統』
白川静さんの本はこれまで書評を書いたものだけでも、
などを読んできました。
読んでいて、ずっと『字統』と『字訓』に関してはほしいなと思い、Amazonのショッピングカートに半年近くはいっていたのですが、今回ようやく購入したわけです。
『字統』と『字訓』
『字統』、『字訓』とはどんな字書でしょう。まず『字統』のほうは、五十音順に並べた漢字を元となった甲骨文や金文の字例などを配しながら、引用文献や故事成語も紹介しつつ歴史のなかでとらえた漢字の生成を紹介する読む字典です。

たとえば、「遊」という字であれば、こんな説明がつきます。
声符は斿(ゆう。遊の字のしんにょうがないもの)。斿(ゆう)は氏族霊の宿る氏族旗を建てて、外に旅することを示す字で、遊の初文。字はまた游ともかく。(中略)遊とは遊行移動するものをいう。[詩、周南、漢広]「漢に游女有り 求むべからず」とは、漢水の女神が出遊することをいう。その詩は女神祭祀を歌うものである。白川静『新訂 字統』
一方の『字訓』は、古字書が掲げる漢字や訓み、古今の語源説なども紹介しながら、日本語の語意識と漢字の字義とのかかわり合いを説明するもの。

たとえば、「あそぶ」という語であれば、こんな説明がつきます。
歌舞などをして楽しむ。直接的な目的をもつことのない行為とされるが、本来は足を動かすこと、狩猟や収穫を楽しんで歌舞することをいう。遊芸のことは、祭祀儀礼など、もと神事に起源するものであった。のち貴顕の遊楽の意となり、山川自然の風雅や酒宴を楽しむことをいう。白川静『新訂 字訓』
「遊」という字と「あそぶ」という語を例に『字統』と『字訓』を比較してみました。こんな風に字と語の関係性をみていくとおもしろそうだなと思っています。
これから気の向くまま、ゆっくりと紐解いていこうと思います。
今日の夕食
今日の夕食は肉じゃがとカツオのタタキ。ひさしぶりに家で和食っぽいものを食べたかな、と。

今日もそうしましたけど、最近煮物は小鹿田のすり鉢に入れることが多い。そうなんです。写真で肉じゃがをいれた器は実はすり鉢なんですよ。
そうそう。話は変わりますが、昨日のワークショップで昼食を食べているときに、ゆうすけさんに「棚橋さん、民藝のもの、どれくらいもっているんですか?」と訊かれて、「30~40くらいかな」なんて答えたのですが、今日なんとなく数えてみたら、陶磁器だけでなく、ざるなどの編組品、ランチョンマットなどの染織品、お盆や匙などの木工品なども含めると60くらい(2つずつあるものも1つずつ数えてです)はありそうでした(途中で面倒になり数えるのをやめました)。
あれ? いつの間にこんな数に、という感じですw
「在り続けてほしいもののために、僕ができること」なんてエントリーを先に書きましたが、結構できてますねw
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