
ていねいに読んでいただいた方が多かったので、その一部をご紹介。
以前の感想は以下。
ソフトウェアやさんとかもこういう考え方知っていたらいいだろうに
自分が知らなかったことが集まっていた「初めのほうと、終わりのほうが面白かった」というのは、えるさん。私自身、以前はHCDが仕事でしたが、
今はこの本で紹介されているHCD的な考え方を基盤において
仕事するというやり方にシフトしたのもあって
情報デザインやっている人だけじゃなくて
ソフトウェアやさんとかも
こういう考え方知っていたらいいだろうに
と感じていたので、今回は
デザイン思考の「仕事術」として出版されたので
「おぉそれそれ」と思いました。笑
確かに今回の本は、情報デザインやインタラクションデザインを専門に仕事にしていたり、学んだりしている学生向けの本ではありません。
より一般的な幅広い層で、商品やサービスの企画の仕事、マーケティングの仕事、さまざまなものの設計、開発にたずさわる人、お客さんなどとのコミュニケーションに携わる人や、将来そうした仕事につきたいと考える人を対象にしているので、えるさんがいうようにソフトウェア開発などをされている方にももちろん読んでいただければと思っています。
問題ってどのように発見すればよいのだろう?
まさにそのあたりを感じてもらえたのが五味さんだったのかもしれません。非常にていねいに読んでいただき、ありがたいです。世の中にある問題を発見して解決したい、問題解決能力を身につけたい、新規事業を生み出したい、でも問題ってどのように発見すればよいのだろう?
そんな問いが浮かんだことがある人には、本書は目から鱗が落ちる本と言ってもいいすぎではないだろう。僕はたくさんの気付きを得ることが出来ました。
この記事で五味さんはとてもていねいに書かれた内容を整理し、ご自身で解釈のための編集作業をされています。まさにこれこそデザイン思考だと思います。目の前のものをそのまま受け入れるのではなく、自分とのあいだのインタラクションによって、解釈し、自分のものにする。
重要なのは、自分のつくった枠の範囲外に触れることなのでしょう。
自分の「わかる」範囲で仕事をし続けるのではなく、自分が「変わる」こと、自分の視点そのものをかえるきっかけを探すために、自分の枠の外にでることを心掛けた行動をする必要があります。
まさに五味さんがやったのがそれか、と。
この感想はぜひ原文を読んでいただきたい。
すべてを自分の提案で埋め尽くすのではなく、相手の「余地」をたくさん残しておく
そして、その編集的ともいえるデザイン思考というのは、ふだん僕がよく使っているやり方だと気づいていたのがfujiiさんです。本には「集めて」「新しくつなげる」ということの重要性が頻繁に出てきます。このやり方は、よく考えるとたなはしさんが普段やっているブログがそう見えると思いました。まずは、本を読み「集める」、その中で本に書き込んだりしながら、「新しくつなげる」ということをやっているように思えてきます。
fujiiさんは、それをブログでやってることと指摘してくれていますが、実は『ひらめきを計画的に生み出す デザイン思考の仕事術』
デザインには「分ける」のと同時に、分けて分かったものを再度組み立てるという統合の視点が不可欠。そして、統合するとやっぱり元の部分でないものが生まれてくる。それは問題点であることもあれば、新たな価値であることも。
fujiiさんは、最後の「デザインしすぎない」にもちゃんと反応してくれています。
何かを作るときには誰かの生活に、ある意味踏み込んで、自分の提案をしているのと同じと感じています。その提案のせいで、いい方向にいくかもしれないし、その逆もあるということを心にとどめておくと同時に、すべてを自分の提案で埋め尽くすのではなく、相手の「余地」をたくさん残しておくことの大切さを書いたのかなと思いました。おもしろいテーマです。
僕自身の意図としては「余地を残しておく」対象となっているのは、おなじ人間である相手ではなく、人間ではないもの=自然です。人間がコントロールできない自然。デジタル化できない豊饒で暴力的なもの。もちろん、その自然は人間自身のなかにもあるので、「相手」という意味でもよいのかな、と。
そういう意味で、僕はすべて意図のうち、ことばや意識のうちにおさめてしまわないように、人間中心になりすぎないように、と思い、最後の「デザインしすぎない」を書きました。
すべての問題を解決しようとするのではなく、「仕方がない」とあきらめる「余地」も意図して残しておくべきなんだろう、と。
そう。最初の写真のように、藍の型染めの紋様のふちで白と藍があいまいにまざりあっているような余地を。
一冊の本でもいろんな読み方があっておもしろいですね。
また、読んでくれた方の感想を見つけたら紹介していきたいと思います。
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