集める、並べる、組み立てる
昨日は、東京都市大学・清水先生の講義「メディアと表現」のゲスト講師としてお話をさせていただきました。そのなかでも、デザイン思考で仕事を進めるうえでは「集める、並べる、組み立てる」という活動を重視し、わかったつもりにならず、答えはないということを前提に、デザインを組み立てることが大事だと話しました。
旅の計画とデザインプロセスは似ているね、という話から、共通する「集める、並べる、組み立てる」というよそを抽出したんです。

アナロジー思考
「集める、並べる、組み立てる」という要素が重要ですねということに関しては、『ひらめきを計画的に生み出す デザイン思考の仕事術』デザイン思考という包括的な視点が必要となる作業には、物事を細かく分けていくことで理解を高める分析的思考と同時に、異なる者同士をつなぎとめながら類推を働かせるアナロジー思考が必要になります。
簡単にいえば、アナロジー思考をする際には、おおよそ、こんなことが起こっていると考えてもらえればいいと思います。
と書いたうえで、「おおよそ、こんなことが起こっている」と思われるアナロジー思考のプロセスとして、
- 蒐集する
- モデル化する
- 編み上げる
の3つをあげています。
今回はこれをやさしいことばで言い換え、
- 集める
- 並べる
- 組み立てる
といったわけですが、なんでもデジタルに分割し要約して考えるのではなく、物事のゆるいつながりに着目しながら、そのあいまいさを受け入れつつ、はじめから答えがあると想定するのではなく、答えは自分たちで組み立てるのだと思って、作業にあたることが大事なことだと思うのです。
「らしさ」を集める
そのことを体感してもらうために、- 本の特徴(らしさ)
- Webの特徴(らしさ)
をそれぞれ3つずつポストイットに書き出すという課題をやってもらいました。
結果はこんな感じ(写真は「本の特徴」)。

本に関しても、Webに関しても、とうぜん、いろんな「らしさ」があがってきました。
本やWebの「らしさ」ひとつとっても、これだけいろんな見方があり、人によって異なる。
本やWebをデザインする際には、とうぜん、その「らしさ」を表現しないといけない。らしくなければ、違和感を感じるでしょうから。
そうした人によっていろいろと異なる「らしさ」を感じているものを、ちゃんと把握してデザインする際に表現できているか? そういうことを感じるために、まず「らしさ」を集めるという体験をしてもらったのです。
もちろん、こうして「らしさ」を集めたあとは、それを並べて比較し検討し、適切な要素を抜き出し組み立てるという作業をしていくわけです。
さて、みなさん、普段、こういう観点で仕事をしているでしょうか?
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