発想法について知るもよし、プロジェクトマネジメントについて知るもよし
まず、kahusuさんからはこんなコメントをいただきました。昨年出された「ペルソナ作って、それからどうするの?」は具体的なペルソナ・シナリオ法の解説が中心でしたが、今回はより大きな視点からのデザイン論を語ってくださっています。その膨大な読書に裏付けされたデザインアプローチには毎回驚かさせれます。発想法について知るもよし、プロジェクトマネジメントについて知るもよし、と大変参考になる一冊でした。
前著『ペルソナ作って~』
実用度は非常に高いと言っていいと思います
「デザイナーの仕事というのには何か、魔術のような神秘性を感じる」というADAKENさんは、こんな風に読んでくれました。私としてこれはと思ったのは、「知ってることを集めるのではなく、そのことの何を知らなかったかを知ることが肝心」という話です。特に私のような、ものを知ることで生きてることを実感する者にとって、これはもっとも陥りがちな危険な罠だと思えるのです。この、「知らなかったこと」こそ、新たな発想へと発展する大ヒントになるのではないですかね。
わからないに着目する、知ることで未知を見つける。本書で繰り返し書いているのは、その点です。結果としてできたデザインではなく、デザインを生み出す過程、デザインを生み出す人の考え方、行動に焦点をあてています。
それを
本の内容としては、デザイン方面に疎い人間にとってはちょっとわかりにくい言葉が多用されているので、途中読むのに苦労する場面もあるかも知れません(私もそうでした。もう一度目を通した方がいいかも)。しかし、アイデアを出すあらゆる仕事に従事している人に共通するヒントが丁寧に解説されていますので、実用度は非常に高いと言っていいと思います。
といった風に「実用度は非常に高い」と評価していただけるのは、うれしい限りです。
ありがとうございます。
<「わかる」ことは重要じゃない。「わかること」にこだわらない。>の箇所が印象に残りました
おなじポイントに着目してくれたのが、FDmountwill_millsさん。<Capter1「デザイン思考とは」07|デザイン思考の仕事術のための基本姿勢・七箇条>のうちのひとつ、<「わかる」ことは重要じゃない。「わかること」にこだわらない。>の箇所が印象に残りました。自分自身「わかる」ということにこだわりすぎた時期もあります。「わからない」と発言することを、人を批判するような言い方に思えることがあります。それを恐れて、わかったふりをしていると、欠陥や新しい発見など、重要な様々な点が見過ごされるのだと思います。
わかったふり、わかったつもりになってしまうと、「欠陥や新しい発見など、重要な様々な点が見過ごされる」。ただ、「欠陥や新しい発見」こそが、いまの生活をすこしでもよくしようとするために行うデザインの仕事の原動力、出発点です。そこにちゃんと着目してもらえたのはありがたいです。
「読み始めることができそう。」と感じることが大きな利点
本そのもののユーザー体験という視点から感想を書いてくれたのがtazukeさん。重く感じることが即悪いことではありませんが、今回の軽さはメリットです。読むきっかけを広げるという視点で言えば、「読み始めることができそう。」と感じることが大きな利点であり、書名や装丁、ページ数といった外的な要素の組み合わせである程度決定できることを実感として肌で掴むことができました。
前著『ペルソナ作って~』
「内容はとても素晴らしいので、商品企画やサービスの設計に携わる方には一読をお勧めします」と書いていただいているのもありがたいです。
以上。
みなさん、読んでいただき、さらに、あたたかいコメントまでいただき、ありがとうございます。
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この記事へのコメント
FDmountwill_mills
それと、やはり本の感想ひとつとってもいろいろな方の見方があるのですね。
他の方の感想も、興味深く読ませていただきました。