
よいです。やっぱり本となって形になってみると違います。
PCで原稿を書いていたり、紙のゲラを校正してるのとは別物です。
仕上がった本には単なる情報とは別の魅力があるのを、あらためて感じました。
人びとを悩ます難題の解決のためのデザイン思考
今回のテーマはデザイン思考(Design Thinking)なわけですが、表紙裏の見開きには、こんな説明があります。

IDEOのCEO、ティム・ブラウンのことばです。
僕自身は「はじめに」でこんな風に書いています。
デザインの方法を身につけてさえいれば、こうした人びとを悩ます難題の解決もすこし楽に、しかも効果的にできるようになるはずです。そうしたデザインの方法を仕事に取り入れた仕事術がこの本で紹介するデザイン思考の仕事術です。
「デザインの方法というと、グラフィックデザイン、プロダクトデザインなど、最終的なアウトプットそれぞれに固有な方法ばかりが論じられます。この本ではそうした個別のアウトプットを生み出す技術ではなく、より基礎的なデザインの力である物事を組み立てる方法を紹介します」とも書いています。
表面的なデザイン方法論ではなく、仕事をする上での基礎的な発想のしかた、行動のしかたについて触れているのが、今回の本です。
もちろん、この場合の「基礎」は初心者向けの~という意味での基礎ではなくて、基礎体力とか建築物の基礎のように土台になるものという意味での基礎です。
中身をチラ見せ
中身もちょっとお見せしておくと、たとえば、こんな風に「情報化~情報の構造化のスキル」ということを扱っていたり、
「デザイン思考の仕事術のための基本姿勢」として7カ条を挙げていたりします。

他にも「情報の圧縮化から発想が生まれる」「図解化することで全体が俯瞰できるようになる」「物事を包括的にとらえる目利きの力」「リフレーミングで自分の枠の外に出る」「仕事の空間を遊びの場にする」などの内容を扱っています。
例えば、「情報の圧縮化から発想が生まれる」ではこんなことを書いています。
創発というのは、こうした部分の性質の単純な総和にとどまらない性質が、全体として現れることを指すことばですが、KJ法を使った情報の統合作業に期待されるのもそれと同じです。部分としての情報の単純な総和にとどまらない性質が、情報群を全体として捉えたときに発見できる。そこに川喜田さんの発想法の秘密があるのです。
「ひらめきを計画的に生み出す」というタイトルをつけているくらいですので、発想を偶然にまかせるのではなく、いかに意識的に創出できるようにするか?というのは本書の主要なテーマです。
また「仕事の空間を遊びの場にする」では、こんな風に書いています。
フランスの思想家であるロジェ・カイヨワが書いた『遊びと人間』という本があります。カイヨワはその本のなかで、規則の限界内での自由な対応を、即座に発見し創案していくことにこそ遊びがあると言っています。遊びは、制約を設けることでその範囲内での自由で創造的な発案や発見を可能にするものだとカイヨワは指摘しています。
制約のなかの自由。デザインとは制約をいかにうまく使うかが1つのポイントです。それは仕事そのもののデザインに共通します。だからこそ、「遊びのうちにある、制約のなかで自由な発想を生み出すためのエッセンスを利用したい」し、本書ではそのためのヒントを紹介しています。
そのほか、詳しい目次は「『ひらめきを計画的に生み出す デザイン思考の仕事術』は6月末発売」というエントリーで、すでに紹介していますので、そちらをご確認いただければ。
本棚に並べると
最後に、家の本棚に並べた写真を載せて、今日の紹介は終わり。
いよいよ来週の月曜日には書店に並びます。
すでに大勢の方にamazonでご予約もいただいているようです。
ひとりだけ先に手にしてしまって申し訳ないですが、みなさま、もうしばらくお待ちを。
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