「ペルソナを使った人間中心のデザイン」というテーマでセミナー講師をしてきました。

昨日は、コプロシステム・商品計画研究所さま主催のセミナーで、「ペルソナを使った人間中心のデザイン」というテーマで講師をしてきました。

「ペルソナ」「デザイン思考」「人間中心のデザイン」をキーワードに、マーケティングの視点からデザインのお話をさせていただきました。
普段と客層の違うところでお話しするので、「デザイン思考」についてうまく伝わるよう極力噛み砕いてお話させていただきましたが、なかなか好評だったか、と。

お話した内容は、以下。(講演資料のアウトラインより)

はじめに

自己紹介①:株式会社イード
株式会社イードで、人間中心設計のコンサルティングをしています。
自己紹介②:情報デザインフォーラム
情報デザインフォーラムのメンバーです。
自己紹介③:個人での活動
ブログや執筆、セミナーについて。
今日お話しすることとも関係する、『デザイン思考の仕事術』という本が6月18日に出版されることも宣伝。
本日のアジェンダ
ペルソナと、人間中心のデザインについて、お話しします。

1.人間中心のデザインとは

ペルソナとは
ユーザー調査に基づいて作成する仮想のターゲットユーザーのモデル。
インタラクションデザイナーのアラン・クーパーによって生み出された手法。
ターゲットユーザーの役割やゴールを明確にし、ペルソナが商品・サービスを利用する際の行動を物語風のシナリオとして記述することで、商品・サービスの要件を表現するための方法です。
IDEO:イノベーションの技法を組織的に浸透している会社。
イノベーションの技法を組織的に身につけたデザイン・ファーム
デザイン思考
デザイン思考とは・・・(IDEO CEOティム・ブラウン)
デザイナーの感性と手法を用いて人びとのニーズと技術の力を取り持つこと
現実的な事業戦略にデザイナーの感性と手法を取り入れ、人びとのニーズに合った顧客価値と市場機会を創出すること
バンク・オブ・アメリカ:サービス経験のイノベーション
IDEOは製品デザインによるイノベーションだけでなく、
サービス・デザインによるイノベーションも手がける。
キープ・ザ・チェンジ:2005年10月に開始した普通・預金連携口座。
チェンジ=おつり。「おつりはとっといてくれ」の意味。
デビッドカードを利用したサービス。買い物をするとセントの端数を次の1ドルに切り上げた額が「普通口座」から引き落とされ、差額分が「預金口座」に振り込まれる。
スタンフォード大学 d.school
ビジネススクールからデザインスクールへ
イリノイ工科大学 Institute of Design
イリノイ工科大学 Institute of Designでは「人間中心のイノベーション」を展開。
バウハウスで、それまで予備課程を担当していたヨハネス・イッテンがグロピウスとの対立により同校を去ったあと、後継として予備課程を担当していたモホリ=ナギがバウハウス閉鎖の後、1937年にシカゴで開校した“The New Bauhaus Chicago”が前身。
1938年に資金難でいったん閉鎖しますが、1939年”School of Design Chicago “の名で再開、1944年に”The Institute of Design “と改名。1949年にイリノイ工科大学に吸収。
ISO13407:人間中心設計プロセス
"Human-centred design processes for interactive systems"
イギリス・ラフボロー工科大学のブライアン・シャッケルを中心とするグループが長年行ってきた人間工学系の研究を基本として1995年にISOに提案、1999年に国際規格化されている。
Context of useがキーとなる概念。先行するISO9241-11では、ユーザビリティを「特定の利用状況において、特定のユーザーによって、ある製品が、指定された目標を達成するために用いられる際の、有効さ、効率、ユーザーの満足度の度合い 」と定義。
au design project × YAMAHAの携帯電話楽器
「形とはテクノロジーよりも人の機能についてくる」
ヤマハデザイン研究所のデザイナー、マリアン・ベイリーによる携帯電話楽器。
「どんな時も単なる技術的な問題ではなく、人間の行動、人間工学と音質を出発点とすることを心がけていて、そこから私たちのデザインに収まるような新しいソリューションと技術を、技術班に考えてもらっています。」
「私の持論は、形とはテクノロジーよりも人の機能についてくるというものなのですが、人のニーズや行動に基づいた素晴らしいアイディアさえあれば、あとは技術がそれに追いつくまでの時間の問題なんです。」
PingMag - 東京発 「デザイン&ものづくり」 マガジンの記事より
人間中心のデザイン
「デザインとは物に意味を与えることである。」
クラウス・クリッペンドルフ『意味論的転回―デザインの新しい基礎理論』より
人間中心のデザインの適用領域は?
人とモノとのインタラクション(相互作用)をデザインします。
「意味は、物の物理的、あるいは物質的な特性に内在するものではなく、人の心のなかにあり得るものでもない。テキストの意味が読みのプロセスの中で浮かび上がるのと同じように、人工物の意味は、それと相互作用、そして、それを通して他と相互作用するときに生じる。」
クラウス・クリッペンドルフ『意味論的転回―デザインの新しい基礎理論』より

2.人間中心のデザインプロセス

ゴールダイレクテッドデザイン
ユーザーがゴールを達成するまでの振る舞いをデザイン。
インタラクションデザイナーであるアラン・クーパーらが開発したインタラクションデザインの方法論。
ゴールダイレクテッドデザインは、商品・サービスを使う人びとが適切にデザインされた振る舞いを通じてゴールを達成できるようにすることを目標としています。
人間中心のデザインの流れ
利用者の視点から、具体的なモノの形へ
さまざまな視点から検討する。マクロとミクロ。文章化と図式化。
ペルソナ=利用者のモデル化
モデル化を行うことで役割、目的、ゴールを明示する。
利用者情報の統合・関係性の明示
グループごとに利用者情報の統合を行います。
KJ法
データを動かしながら推論を働かせ、発想を生む手法。
文化人類学者である川喜田二郎氏が生み出した発想法のなかの思考ツールの1つ。
フィールドワークなどの調査を通じて収集した情報をもとに、問題の全体構造を把握する手法。
KJ法の作業の流れは、①単位化、②グループ化、③表札付け、④図式化、⑤文章化と進める。
グループ化の作業は、既存の枠組みに無理やりデータをあてはめる作業ではない。似ているデータ同士の類似を発見して小さなグループをつくり、それに表札をつけて、さらに別のグループとの類似を発見し大きなグループをつくるという形で、小さなグループから徐々に大きなグループへ発展させていくことで全体構造の把握を行う。
ペルソナ文書と行動シナリオの作成
ペルソナの骨格となる統合データを元にペルソナ/シナリオを作成します。
シナリオを使って理想のサービスを描く
ペルソナのゴール・期待を考えたうえで、そのニーズを満たす理想のサービスはどういうものかをシナリオを使って具現化します。
ペルソナにとって重要だと思われるニーズを満たすことにフォーカスして書きます。
シナリオを書く手順としては、まず最初にペルソナがサービスを利用する全体の流れをイメージするために「プロセス」の項目を埋めていきます。全体の流れがイメージできたあと、はじめて「ユーザー要求」「必要な機能・コンテンツ」の検討を行います。
シナリオを使ったデザイン
複雑なインタラクションをわかりやすい物語で表現。
→メンバー間での共有を可能に!
データ要件、機能要件
シナリオからデータ要件、機能要件を抽出する。
インタラクションデザインとペルソナ
ペルソナ/シナリオを使って描いたデザインコンセプトがデザインの起点。


 

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