2006年01月17日

ミームとブログ、複製による回覧、そして延命

プリンの真価は食べなきゃわからないと言うけれど、レシピがどんな形であれ物理的な複製を作ってもらえるかどうかは、そのケーキがどのくらい成功するかにかかっている。ケーキが何に成功するのかって? 宿主がレシピの複製を作ってそれを回覧させるのに成功するかどうかだ。Cui bono? ふつうはケーキを食べる者が得をするし、だからかれらはそのレシピをありがたがって、複製を作り、それを回覧するけど、でもその「宿主」が得をするかどうかとはまったく関係なく、ケーキがレシピを回覧させればレシピ自体はレシピにとって唯一の意味ある形で得をすることになる−つまり複製されて、その系列が延命するのだ。
ダニエル・C・デネット『自由は進化する』


上の『リング』を想起させる、ややこしい説明は、『利己的な遺伝子』でリチャード・ドーキンスがはじめて用いた、遺伝子と類似の文化的複製子ミームに関する解説だ。
ミーム(meme)という語は、模倣を意味するギリシャ語の語根 mimeme から遺伝子 gene に発音を似せて作られた言葉らしい。

ミームなんてものが本当にあるかどうかという議論は、実はあんまり興味はないのだけれど、何度か書いてきたように文化の伝播には、遺伝子的な複製の繰り返しが必要なのは確かだろう。

いまのブログ文化を見てると、この複製による伝播がすごいスピードで起こっているのがわかる。あるニュースが立ち上がると瞬く間にそれをトラックバックした記事がいくつも立ち上がり、さらにそれがトラックバックされていく。そして、遺伝子でも優秀な子孫を残したものが系列として延命するように、優秀な記事にトラックバックやソーシャルブックマークが集まる。

こうした状況がそれを系列の延命をはかったミームが宿主(ブロガー)の損得とは無関係に自己複製を行っているのか、はたまた、そもそも、ミームがよりその勢力、速度を強化するためにブログやWeb2.0なんてものに人間を導いているかなんて話はともかくとしても、この複製〜回覧を経ることで、○○を語る時には△△と□□もいっしょに的な社会的に認められた情報発信のレシピみたいなものが固まったりすることはある気がする。

ティム・オライリーのミームマップここ参照)には、Web2.0のユーザーポジショニングとして、「情報の自己コントロール」っていうのがあるけど、ホントにこれって人間にできるのかなって考えちゃったりもする。う〜む。

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posted by HIROKI tanahashi at 22:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 著作権 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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