「わたしのからだはよくできていますが、足りないところが一ヶ所あります」
と伊耶那美は答えました。伊耶那岐はそれを聞いて、
「わたしのからだもよくできているけれど、余ったところが一ヶ所ある。この余ったところをお前の足りないところに差し入れてふさいで、国を生もうと思うのだがどうだろう」
と聞きました。「それはいいわ」と伊耶那美はうなずきました。鎌田東二『神様に出会える 聖地めぐりガイド』
これはもともとは『古事記』の文章です。
伊耶那美「わが身はなりなりて成り合はざる処一処あり」
伊耶那岐「わが身はなりなりて成り余れる処一処あり。故(かれ)このわが身の成り余れる処を以て、汝が身の成り合はざる処を刺し塞ぎて、国土(くに)を生み成さんと以為(おも)ふ。生むこといかん」
それをこんな風に現代語訳するとは、鎌田東二さん、good job!です。
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