2009年04月11日

棟方志功 倭画と書の世界

東京・駒場の日本民藝館で行われている特別展「棟方志功 倭画と書の世界」に行ってきました。

日本民藝館 外観


日本民藝館に行ったのはちょうど一年前くらいの特別展「琉球の織物」以来です。
特別展「棟方志功 −倭画と書の世界−」
  • 会期:2009年3月31日(火)―6月14日(日) ※毎週月曜日休館
  • 開館時間:午前 10 時 − 午後 5 時(入館は 4 時 30 分まで)
  • アクセス:京王井の頭線「駒場東大前」駅 西口より徒歩7分
  • 併設展示:日本の民窯、東北地方の工芸、朝鮮時代の陶磁、アフリカの工芸、濱田庄司・河井寛次郎作品ほか
  • 展覧会の詳細情報http://www.mingeikan.or.jp/html/exhibitions-events-mingeikan.html

棟方志功さん(1903〜1975)といえば、躍動感あふれる板画(はんが。棟方は「板から生れた板による画」という意味で「版画」を「板画」と呼んだ)で知られていますが、本展では、その最もよく知られた板画作品ではなく、肉筆である倭画と書が併せて100点ほど展示されていました。

棟方志功の倭画と書

どちらかというと倭画目当てで行ったのですが、実際にみて良かったのは、書のほうでした

正直、これまで書作品に感動したことはないんですが、今日みた棟方志功さんの書にはやられました。
書そのものの魅力もそうなんですが、はじめて書の見方がわかったという気がしました。

どうやって見てたかというと、その筆使いを自分の身体でトレースするように見てみたんですね。そうやってみると、その筆の速さと動きを感じてゾクゾクしてくるんです。正確にいうとゾクゾクしてくる箇所がある。ああ、書ってこんな肉体的なものなんだと思いましたね。楽しくて、何度も身体でトレースしてみましたw

その書の肉感的なものとおなじことが倭画のほうにもいえるんです。とにかく線も速くて荒々しいし、色づかいも非常に奔放です。眼で見たものを写しているというより身体で感じたものをぶつけているといった印象。絵のなかにも書とおなじように文字があるというか、文字の原型が隠れているようにみえてくる。これも楽しかった。

そういう倭画の横に書がかけられていたので、僕はトレースしながらみるということを思いついたんです。そして、そうやってみてみると書って楽しい。これは貴重な発見でした。これから他の書をみる楽しみも増えました。



そんなことを思いながら観終わったあと、展覧会のパンフレットをみると、柳宗悦さんがこんなことを書いている。

近頃の日本の書家が一つの線でも神経質そうに引くのと、大いに違います。誰も見たら驚くでせうが、その描く速度の速さは、恐らく古往今来他に例がないでせう。
特別展「棟方志功 倭画と書の世界」パンフレットより

これは間接的な表現である板画ではすこし抑えられている棟方さんの色なのでしょう。板画も十分肉感的な荒々しさを感じさせますが、肉筆である倭画や書とは比較になりません。パンフレットの表紙にもなっている「乾坤飛駆天妃図」などの速さはまさにその名のとおりの飛び駆ける勢いを感じさせる筆致でした。



日本民藝館西館(旧柳宗悦邸)

さて、今日のもうひとつのお目当ては、毎月第2水曜・第2土曜・第3水曜・第3土曜日のみ公開されている、日本民藝館西館(旧柳宗悦邸)を見学することでした。

日光街道沿いの宇都宮から移築してきた長屋門が旧柳家の表構となっていて、奥に瓦葺き入母屋造りの住居が建っています。本館同様の内部は撮影禁止なので外観のみの紹介。

日本民藝館西館 外観


1階の食堂は板張りで、テーブルと椅子が置かれていましたが、そこから腰かけるのにちょうどいいくらいの高さをおいて、奥に畳の客間がつづいています。今日はその客間の床の間にも棟方さんの書がかけられていたり、障子窓からのぞく庭の桜は葉桜になりながら風に花びらが舞っていたりして、とても落ち着く空間でした。

この食堂と客間だけでなく、柳さんの書斎も含めて、和と洋の要素が組み合わされた和洋折衷の空間でしたが、いずれも民藝の精神に貫かれた柳さん自身の設計となっており、品の良さを感じました。

旧白洲邸 武相荘」に行ったときの感動はなく普通な感じ(といっても実際には普通でもなんでもないのですが)がしたのですが、その普通な感じがいまにして思えばよいな、と。

あと本館のミュージアムショップは、器や織物など各地の民藝品を売っているのですが、そこで見たガラスのコップと藍染のコースターにまた買い物意欲をそそられてしまいました。ただ、最近は民藝品を買いすぎな気がしたので、今日は自重して買わずに帰ってきました。でも、実は買わなかったことをちょっと後悔していたり。

6月下旬からは「西洋家具の美」という特別展が開催される予定。これも楽しみです。

 

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posted by HIROKI tanahashi at 22:16| Comment(0) | TrackBack(0) | アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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