ポジショニングを考えるための「腰は低く、志は高く。」

マーケティングを考える際に大事だと思うのがコレ。

腰は低く、志は高く。

なかなか自分でも実践しきれないところもありますが、コレができるとマーケティングはうまくいく可能性が高いのではと思います。



Webマーケティングを組み立てる」、「マーケティング、マネジメントを組み立てなおす」、「業務プロセスと人材教育に視点をおいた企業戦略の見直し」と最近、マーケティングづいてるこのブログですが今日も引き続き。

志は高く

まずは「志は高く」のほうから。

これは何かというと、顧客に対して、自社の哲学とヴィジョンを明示することを指しています。自分たちがどんな世界を実現することを目指しており(哲学)、そのためにどんな価値を具体的に提供しているのか(ヴィジョン)を示すことです。

例えば、どういうことかといえば、

  • インテリアを扱うメーカーや商社が、自社の商品を使えばどういう暮らし、ライフスタイルを実現できるかをトータルコーディネイトした写真などで表現してみせる。
  • 経営コンサルティング会社がどういう経営哲学をもち、それをどんなプロセス・手法を用いて実現するかをトータルのモデルとして開示する。
  • 教育サービスを展開している企業が、生涯学習という視点に立ち、どのような学習を行うとよいかを伝え、幼児期から小・中・高、大学、社会人までを対象にした教育サービスをそれぞれ提案する。

など。

もちろん、その表現の仕方は、自分たちがターゲットに部分をしている顧客層にあわせた表現が望ましいのであって、リッチなコンテンツによって表現する必要がある場合もあれば、エンターテイメント性が高い表現が必要な場合もある。そうかと思えば、継続的にインタラクティブなコミュニケーションが必要になることもあれば、ひたすら哲学とヴィジョンを文章で語るというケースが効果的な場合もあるでしょう。

当然ですが、具体的な表現、コミュニケーションを考える前には、自分たち自身がどういう世界を実現したいか、そのためには何が必要かを明確することが先決。それを明確にした上で、マーケティング・コミュニケーションをどうするかということだったり、それ以外にも、商品ラインナップのデザイン、価格のデザイン、流通や販売経路のデザインなどを行う必要があります。

腰は低く

次に「腰は低く」について。

これはつまり、「志は高く」で大上段にかまえてみせたイメージを、現実的なレベルに引き戻してあげるためのもの。

あなたがたがどういう世界像を描き、どんな価値提供をしてくれるのか、イメージはわかった。で、私はまず何を買えばいいの? それは私に手が届くものなの? という顧客の問いに答える商品ラインナップを具体的に提案することです。謙虚にお客さんが実際に利用できる形をつくってあげなければ、どんなに立派なヴィジョンを描いても現実の利用にはつながりませんから
もちろん、商品購買のどのステージにいるお客さんに対しても、「私に手が届く」と感じられるとベストです。

高級ブランドがまずはブランド体験のスタートに比較的安価で買えるキーホルダーみたいなものを販売したり、僕の場合であれば、ユーザー中心デザインのプロセスでユーザー要求にあったものを開発しましょうという全体像を見せておきつつ、まずはプロセスを体験していただくために、5万円の体験ワークショップはいかがですか?と提案するようなものです。

もちろん、それで終わりではダメで、はじめて体験して気に入った人がだんだんとステップアップできるようなラインナップを組み立てたり、主要な商品とオプショナルな商品をきちんと分けたり、消費サイクルも考慮して長く使ってもらいたいならメンテナンスメニューも充実させるなどのトータルな組み立てのなかで、個々のメニューとしてして細分化する必要がある。その際には「志は高く」で描いたヴィジョンに基づき、顧客とどう付き合っていくかも考慮しつつ、商品ラインナップ、価格戦略、流通・販売戦略、コミュニケーションを組み立てていく必要があるでしょう。

そのためにはマーケターは関連部門、関係企業とうまく連携をとりながら、マーケティング計画全体をプロデュース、プロモートしていく必要があるはずです。

ポジショニング

これはなかなか大変です。
昨日の「業務プロセスと人材教育に視点をおいた企業戦略の見直し」でも書いたBSCの4つの視点の戦略バランスをうまくとりながら進める必要があるし、それこそ組織内の学習・イノベーションの戦略をどうコントロールするかというところでの連携をはかるのはかなり大変でしょう。

ただ、僕は結局、マーケティングにおける自社のポジショニングって、この「腰は低く、志は高く。」の両方が揃ったときにはじめて、市場および顧客に効果的に認知・理解がされるのではないかと思うんですよね。つまり、この両輪がうまく組み合わされたときにブランドができる(このあたりは「ブランドとは何か?:1.A Model of Brandとパースの記号論」で紹介した"A Model of Brand"というブランドのコンセプトマップもあわせて考えてみてもらえるといいかと思います。これなんか見てるとブランディングにもUCDだなって思えます)。

なので、大変であろうと努力する価値はあります。

当然、この双方をバランスして組み立てるには、いろんな方法論・フレームワークを用いつつも、結局はマーケターには自分の嗅覚で(リサーチ以前に)市場および顧客のニーズをつかみとり、かつ、リサーチなどによってデータも収集しながら論理的・構造的に、志の部分と腰のうまくマッチングさせた形で組み立てるセンスが必要だと思っています。

鼻が利かなきゃリサーチしても無駄だと思うし、それって結局、普段の生活のなかで顧客となりそうなターゲット層の人に対して興味を抱いてないという証拠です。ふだんからそういう人たちをちゃんと気にしてみていれば、なんとなくニーズなんて匂ってくるものです。普段からフィールドリサーチ力、観察力を鍛えられてるかどうかです。
また一方で、論理的・構造的に情報や物事を組み立てたり、チームビルディングができないとせっかくつかんだマーケティングチャンスを生かしきれないこともあります。

まぁ、なかなかこの森を見る目と木を見る目を巧みに移動させて、「腰は低く、志は高く。」の状態を実現できるマーケターはいないんですけど。

  

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