第1日目の報告はこちら。
→ 内省する力(第2回ユーザー中心のWebサイト設計・ワークショップ1日目)
今回の参加者のブログ

作成したペルソナ
今日は先週作ったペルソナ向けの旅行サイトをつくるために、シナリオを描いて必要な機能や情報が何かを抽出し、それをペーパープロトタイプを使って実際の画面やインタラクションをデザインしてもらう流れを体験してもらいました。
グループワークで大切なのは呼吸・リズムを合わせること
2チームに分かれて作業してもらうのは先週同様ですが、今日は2チームともスムーズにグループワークができていたなというのがまず第一の印象。それぞれのチームで役割分担がきちんとできていたし、参加したメンバー全員が手を動かしちゃんと自分の意見を言えていたのがよかったな、と。まさに先週の片方のチームがそうだったんですが、グループワークでは発言しない人、手を動かさない人が一人でもまじってしまうとチーム全体の作業効率が落ちるし実際に作られるものの質も落ちてしまいます。

役割分担しながらペーパープロトタイプを作成
そうならないためには、メンバー間で呼吸やリズムを合わせることが大事。互いに相手の意見に耳を貸したり相手の描いたものをちゃんと見る。そうすると自分の意見も自然と出てくるし、作業をする手も動くようになる。そんな風に自然と作業の場に参加するという姿勢が生まれてくるとグループワークの作業は円滑になり、おのずと作業効率も上がるし、できてくるものの内容もよくなってきます。
今日は2日目ということもあってか、2チームともそれができていたことが印象に残りました。
俺が俺が、ではなくて、チームでの作業の輪に自然体で参加できるようになれば、みんなで考えみんなでつくるという創造の場ができてきます。参加してくれた方はそれぞれ感じとっていたはずですが、そういう場ができると普段ひとりでは考えられない、物事の見方ができ、いつもと違うアイデアが生まれ、デザインをするという作業が普段知っているはずのものと違うものになるのに気づきます。それがひとりでデザインするのとは格段に違うグループワークの良さです。
グループワークを楽しむこと
そういう風に作業が進められると、実際、できているものもよくなるんですね。今日のチームのプロトタイプははじめてのUCD体験かつ短い時間のなか、きちんとそれぞれのペルソナの期待を捉えたWebサイトのデザインができていたと思います。例によってアクティングアウトで、それぞれのチームが作ったものを発表してもらいましたが、発表後の質問を聞いていると、ちゃんと作ったものの意図が伝わる質問が出ていたのがよかった。別のチームからまともな質問が出るということは、短時間でつくったラフなプロトタイプでもちゃんと使い方が理解できていたということです。

アクティングアウトの方法でプレゼン
何よりよかったなと思うのは、ワークショップの最後のリフレクションの時間や、そのあとの飲み会の時間に、グループワークがおもしろかった、楽しかったという声が多く聞かれたことです。
正直短い次回にたくさんの慣れない作業をやってもらうので、内容的には大変なワークショップだと思います。でも、その大変な作業を楽しめたというのが一番よいことだと僕は思います。
デザインやものづくりの作業というのはやっぱり楽しんでやることが必要だと思います。方法論うんぬんを知っているか、身についているか以上に、グループワークができるか、そして、その作業の場を楽しめるかということが実は大事。仕事をしていると、ついつい忘れがちですが、その感覚は忘れてはいけないな、と。
ユーザー視点を持ちつつ楽しむ
しかも、それが単に作り手側だけの楽しみというのではダメで、使う人の立場に立って考える、つくるということを楽しむものでないといけないと思っています。
デザインコンセプトを説明
実際、今日参加してくれた方からは、ユーザー視点というのはこれまでも意識してきたけど普段は部分的でしかなかったのが、今回のやり方ではよりリアルにユーザーの視点で考えられるようになったという声も聞かれました。
そういうユーザー視点を持ちつつ、デザインする作業を楽しめるということにこそ価値があるのではないかと思うのです。
そういうことを今日参加してくださった皆さんに感じ取ってもらえたのが僕にとっては一番の収穫です。
1回目のワークショップでも同じように、楽しかったという意見が聞かれましたが、そういう声を聞くと、これをやって良かったなと感じます。今後も機会がいただければ、続けていきたいなと思います。
参加いただいた皆さん、ご苦労様でした。そして、ありがとうございました。
P.S.(2009/03/04)
ワークショップの最後にリフレクションシートに書いていただいた参加者の声がまとまりました。
以下、一部を抜粋して紹介しておきます。
- 作業を進めていくうちに全体が見えてくること。わからなくてもとりあえずやってみることが大事だと思った。
- 分析をした結果、できあがったペルソナが予想以上に自分の中でリアルになっていたのがオドロキだった。
- 一見一人一人が異なるシナリオで動いているように見えても、共通項を拾い出すことでパターン化できることが実感できた。
- シナリオの中に必要な機能やユザのやりたいことがすべて含まれていて、要件定義が簡単になっていた。
- ペルソナに設定をもたらすことで、自然と想像を働かせて行動パターンが決まっていく。ユーザー心理が本当の意味でわかる。
- シナリオでは違和感がなくてもペーパープロトにしてみると画面枚数が増えていて使いにくいなど、気づく点が多かった。
- (ペーパープロトタイプは)各エリアの内容は粗くなってしまうが、紙を動かすことでサイトのフローを把握できる。
第1回開催分のご報告
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