気になりだしたのは、脳科学者で、ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャーでもある茂木健一郎氏の著書『クオリア降臨』(文藝春秋刊)を読んでからだ。いまは『脳と創造性』(PHP研究所刊)を読んでいる。
神経経済学という言葉は2003年あたりから登場してきたばかりの言葉で、まだ参考になる文献などは少ない。
日本語ではほとんど皆無だ。
英語だと、
Kevin McCabeのブログ:Neuroeconomics
http://neuroeconomics.typepad.com/neuroeconomics/
Zack Lynchのブログ:neuroecology
http://www.corante.com/brainwaves/archives/001241.html
この神経経済学という新分野が生まれる元となったのは、ダニエル・カーネマンらが進展させた行動経済学の成果であるとのこと。
僕が神経経済学や行動経済学というものに惹かれる理由は、茂木氏の次のような言葉に象徴される部分だ。
商品やサービスを購入するといった経済行動においても、私たちはある決まったルールや方程式に従って行動しているのではない。
(中略)
このような私たちの経済行動を理解する上での本質が不確実性にあることを示したのが、2002年にノーベル経済学賞を受賞したカーネマンらの「行動経済学」であった。カーネマンらは、人間の行動は必ずしも狭い意味での経済合理性に従わないことを実験で示した。そして、人間がそのような行動をとる大きな理由の1つが、行動を決定する上で参考にすべき情報が必ずしも与えられていないこと、すなわち、私たちが住むこの世界が基本的に不確実なものである点にあると主張したのである。『脳と創造性』より引用
とってもいい! って思う。
人間が行動をとる大きな理由の1つが、行動していいかどうかを決定するために参考になる情報が与えられていないことにあるなんて!
ようは人間は結構、冒険好きだということだ。
見知らぬ世界に足を踏み入れたり、清水の舞台から飛び降りたりしてみたい生き物なんだ。
考えてみよう。
ルーティン・ワークが何故モチベーションを萎えさせるのか?
人と同じものを着たいと思わないのは何故か?
時々、昨日とはちょっと違った自分でいたいと思ったりするのは何故か?
トム・ピーターズは『トム・ピーターズのマニフェスト③タレント魂。』言っている。
すごい、でなければ意気地なし!
うん。そのとおり!
だって、不確実なものに飛び込めない意気地なしはすごくないってことだろう?
これはWeb2.0の流行、Ajaxや、Ruby on Railsや、Folksonomyなんかがこんなに話題になっているのだって、見たことがなく、そして、これからどうなるのか完全には誰もわからない世界が急に目の前に広がったみたいで、ワクワクせずにはいられないからだろう。
こういうのを前にしてワクワクではなく、ビクビクしてる人はちょっとすごくない。
で、こういう感覚がエコノミーつながりでもう1つ僕が気になっているアテンション・エコノミーなんかに対する解につながってるんじゃないかとも思ってる。
(アテンション・エコノミーに関する僕のコメントはこちら)
だいぶ、神経経済学の話からはズレたが、こんな感じが僕が神経経済学を勉強しようと思っている理由。
Web2.0
行動心理
経済学
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