どんな時も単なる技術的な問題ではなく、人間の行動、人間工学と音質を出発点とすることを心がけていて、そこから私たちのデザインに収まるような新しいソリューションと技術を、技術班に考えてもらっています。私の持論は、形とはテクノロジーよりも人の機能についてくるというものなのですが、人のニーズや行動に基づいた素晴らしいアイディアさえあれば、あとは技術がそれに追いつくまでの時間の問題なんです。
「形とはテクノロジーよりも人の機能についてくる」。僕もこの考えに基づいて発想しています。いや、別に逆の発想もあっていいんですよ。でも、これまではどちらかというとテクノロジードリブンなほうに偏ってるので、反対の発想もあっていいと思っているんです。
マリアン・ベイリーさんは、ヤマハデザイン研究所で働く楽器デザイナー。au design project × YAMAHAでは、モーションセンサーを通して携帯でドラムを演奏することができる「スティックス・イン・ジ・エアー」や、簡単な折り返しの動作でサンプラー、MP3プレーヤーとラウドスピーカーに変身する携帯電話「ボックス・トゥ・プレイ」などの携帯電話楽器をデザインしています。
「スティックス・イン・ジ・エアー」などは、Wiiのインターフェイスや「はこだて未来大学 インタラクションデザインゼミ」の学生が取り組んでいる「振る」ふるまいの研究にもつながりますね。
これからのユーザーインターフェイス
土曜日の「ユーザー中心のWebサイト設計・ワークショップ」でも話してきましたが、今後のデザインにおいてはますます、人の行動とモノの機能をつなぐということをどう考え、実現するかが重要な課題になってくるはずです。この分野は、決して従来のGUIの範囲にとどまらない様々な形のUIが今後開発されてくるのだろうなと思います。そのためにもベイリーさんがいうように「形とはテクノロジーよりも人の機能についてくる」と考えることがますます必要になってくるのでしょうね。
関連エントリー
- ユーザー中心のWebサイト設計・ワークショップ1日目
- 頭のなかの知識の流れを外のモノに置き換えることのむずかしさ
- WHATとHOWのあいだの"溝"
- 暗黙知はどこにあるか?/情報は界面にある
- ペルソナとISO13407:人間中心設計プロセスの関係に関するまとめ
- 人間中心設計(Human Centered Design=HCD)で使う主な手法
- ISO13407:人間中心設計
この記事へのコメント