これは何も最終的な製品・サービスに関してのみ、問われる問いではありません。
例えば、設計図。これは最終的な製品を実制作、実開発する人が制作・開発が行えるようつくるドキュメントでしょう。
例えば、サービス・マニュアル。これは実際にサービス提供を行う人が正しい形でサービスを提供できるようにするためにつくるものでしょう。
人がやらなくてはいけない多くの仕事の成果は、ほとんどの場合、自分以外の誰かの要求をかなえるためのものです。
であれば、とうぜんながら、誰のために、何のために、つくるのか?という視点は必要になるはずです。
「なるはずです」と書いたのは、そういう視点がなく、行われる仕事、つくられるドキュメントが多いと思うからです。
使いやすさの前に問うべき、使う理由
「これじゃあ、読みにくいよ」などと読みやすさや使いやすさを問う視点はたまに見受けられます。しかし、読みやすくなったとして、その資料を利用する人はいるの?というところが疑問に感じられる仕事というのもは少なくありません。
- 誰のために、何のために、つくるのか?
- そのためにはどんな要素で構成されているべきか?
- 構成要素はどのように配置し、表現すべきか?
という順で落とし込んでいくのは、いわゆる人間中心設計プロセスと変わりません。

ところが、この最初の「誰のために、何のために、つくるのか?」がないために、つくったはいいけど、誰も利用しないなんていう仕事が多いんじゃないでしょうか?
実際の製品やサービスでもそうです。ユーザビリティといって最終的なUIの使い勝手を言う前に、そもそも、その製品・サービスを使う人が何を求めているかを問わない限り、使いやすさ以前に使う理由が満たせません。
こむずかしい方法や理論以前に「これ、誰のために、何のために、つくるんだっけ?」という感覚が人間中心設計・ユーザビリティには必要なんですね。
さて、ところでペルソナに興味をもっている皆さん、何のために、誰のために、ペルソナをつくるんですか?
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