千葉工業大学で「情報の構造化とHCDプロセス」という話をしてきました

昨日、千葉工業大学の山崎さんの研究室のゼミ生を対象に、「情報の構造化とHCDプロセス」という話をしてきました。

お話した内容は、

  1. なぜ情報の構造化が必要か?
  2. 情報の構造化とHCDプロセス
  3. 情報構造をデザインする
  4. ワークショップ

ゼミ生はHCDプロセスそのものは学校で学んでいるので、僕は、情報の組織化~構造化~表現・振る舞いというデザインの流れとHCDプロセスがどう連動するかというところをお話しました。
その上で、情報の構造化に関連したHCDの手法であるカードソート法について話をし、ワークショップでは4グループに分かれて、実際にカードソート法をやってみてもらいました。

カードソート・ワークショップ

カードソート法は、「製品の操作メニューやWebサイトの構造などの情報構造のデザインをサポートする情報デザインの手法」です。

やり方としては、簡単で、情報を書き込んだ紙のカードをユーザーに分類してもらい、その分類作業をビデオに記録することで、どこで迷ったか、迷った際にどんな発言をしたかというデータをとり、あとで分析を行うものです。
オープン法とクローズ法の2種類のやり方があり、それぞれ利用目的が異なります。

  • オープン法:ユーザーに情報を書き込んだカードを自由に分類してもらいます。分類してもらったら、それぞれのグループに名前をつけてもらいます。ユーザーがどのような考えで分類を行うかの仮説抽出のための探索的手法です。
  • クローズ法:あらかじめ作成しておいたカテゴリー名カードを提示した上で、ユーザーに情報を書き込んだカードを分類してもらう方法です。こちらは仮説検証的手法で、設計者側があらかじめ分類した情報構造がユーザーにとっても有効に機能するかを検証するための手法です。情報構造のみのプロトタイプをユーザーテストで検証するものだと捉えればよいと思います。

この2つの手法を組み合わせたのが、今回やったカードソート・ワークショップです。

カードソート・ワークショップ

4つのグループには2種類の情報の束(居酒屋のメニュー、携帯電話の機能の一覧、それぞれ30程度)を渡します。最初はカードを渡されたグループがオープン法で情報分類を行います。
今回はカードの代わりに大きめのポストイットを使いました。

分類が終わったらそれぞれにカテゴリー名をつけ、自分たちがどう分類していたかをメモした上で、情報カードをまたバラバラに混ぜます。



次に、別のグループから代表者を呼んで、その人にカテゴリー名だけを提示して情報の分類を行ってもらいます。クローズ法をやるわけです。

このとき、居酒屋のメニューのグループには、携帯電話の機能一覧を分類した人に来てもらうようにします。これを2回繰り返して、それぞれ約30のカードのうち、何枚間違えていて、特にどの情報が間違えられやすかったかを最初に分類した人たちは見ておきます。ようは自分たちの情報分類がちゃんとユーザーに通じたかを検証するわけです。



結果、居酒屋のメニューのグループと携帯電話の機能一覧のグループで、どちらが分類しやすかったということはありませんでした。それぞれ優秀なグループとダメだったグループがいて、前者は30問中3~5の間違いで済んだのに対し、後者は3分の1以上間違いがあったケースもありました。

どう分類するかだけではなく、どうラベルをつけるかも大事

間違いが多いほど、居酒屋でメニューから食べたいものを選んで注文するのが困難になったり、携帯電話で使いたい機能をメニューから探すのに戸惑ったりするようになるわけです。情報構造が間違っていると、あとで表面的にラベルの表現やレイアウトを工夫したところでどうにもならない問題が生じたりもするわけで、そのくらい情報デザインにおいて情報の構造化というのは大事なわけです。

ただ、情報の構造化といっても、単に情報をどう分類するかだけでありません。カードソートでも、分類したカテゴリー名にどういうラベルをつけるか、またラベルをどういう順序で並べるかによっても、正解率は違ってきます。
実際、居酒屋のグループでは、2グループがほとんど変わらない分類をしたにも関わらず、「その他」というラベルのカテゴリーを作ってしまったグループの方が間違いが多く、おなじその他に属するようなカテゴリーに「ちょっとした一品」というラベルをつけたグループの方は間違いが3つ4つで済んでいました。

先日の横浜デジタルアーツの合宿といい、最近学生相手にワークショップや講義を行う機会が増えてますが、こういうのってたまにやると僕自身、刺激を受けて勉強になります。
7月26日と8月の後半にもワークショップの予定が入ってますので、今から楽しみです。

 

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