2017年10月10日

青い花/ノヴァーリス

世界は夢。夢は世界。
世界は夢となり、夢はまた世界と変じ、
とうに起こったはずのものが、
今かなたからやってくる。
想像がはじめて自在にはばたき、
思うがままに糸を織り、
ここかしこヴェールをかけ帳を掲げ、
やがで魔法のもやに消えうせる。
ノヴァーリス『青い花』

18世紀末ドイツの初期ロマン主義の詩人ノヴァーリスによる未完の小説『青い花』
先に読んだ『サイスの弟子たち』がとても気にいって、ノヴァーリスのことに夢中になり、この『青い花』を手に取ったのはおとといのこと。
ひさしぶりに本を読んで、気持ちが落ち着かない状態にさせられたのだが、そういう意味でとても魅力に満ちた一冊だ。未完なのが、なんとも惜しいが、未完でもなお読む価値がある。

『青い花』は、原題を『ハインリヒ・フォン・オフターディンゲン』といい、主人公の名をそのままタイトルにした作品だが、引用した作品中の詩の一節同様に、どこまでが主人公が生きる現実なのか、どこからが他の登場人物が語る物語のなか、あるいは、夢の世界の話なのかが読んでいてわからなくなる作品だ。



しかし、この夢を詩と置き換えて、「世界は詩となり、詩はまた世界と変じ」と読み替えると、この作品における詩というもの、あるいは詩人というものの役割、ノヴァーリスが詩や詩人というものをどう見ているかが感じとれるようになる。
詩人が自分で奇跡におどろいているようでは、とても奇跡を行なうことはできない。
ノヴァーリス『青い花』

と語るのは、ハインリヒが母に連れられて辿り着いた母の故郷であるアウクスブルクで出会った詩の師となるクリングゾールで、ここではあらかじめ「詩人は奇跡を行う者」ということが前提とされている。

なるほど、この作品(小説?)の中では、詩人がうたった詩の内容がそのまま現実になるシーンが何度となく描かれる。
例えば、旅の道連れの商人が語るアトランティスの物語では、王女との結婚の許しを請う若者のうたがその後の父王の許しに即座につながるように。

「青い花/ノヴァーリス」の続き
posted by HIROKI tanahashi at 00:37| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする